ASUS Prime AP201 Micro ATXケースのレビュー記事です。
概要(スペック)
公式サイト
パラメータ | 値 |
---|---|
サイズ | 205(幅)×350(高さ)×460(奥行き)mm |
重量 | 5.8 kg |
対応マザーボード | Micro ATX、Mini ITX |
容積 | 33L |
ドライブベイ | 2.5インチ×1、2.5/3.5インチ×3 |
水冷対応(ラジエーターサイズ) | OK (360mm) |
最大グラフィックスカードサイズ(長さ) | 338mm |
特徴
ASUS Prime AP201 は 最大M-ATXサイズのマザーボードを搭載できるケース。
以下の特徴があります。
- 33リットルサイズ
- Micro ATXのマザーボードが搭載可能
- メッシュデザイン
- 360mm簡易水冷対応
- 最長338mmのグラフィックスカード
- 標準 ATX PSU(電源)対応
ということで、
- Core i9 12900K / Ryzen 9 5950Xなどを強力に冷却しながら
- 大型のグラフィックカードを搭載するシステムが構築できるケースです。
色は白と黒の二色展開。私は、先に発売された白を購入しました。
外観
まずは外観チェック。
- サイドのメッシュは比較的大きめで、エアフローの心配はなさそう。
- リアにはケースファン。白いケースなので、白いファン。サイズ120mm
- 前面は USB-C、ヘッドフォン、マイク端子、電源ボタン、USB 3.0 * 2という構成。
- 電源搭載は前方に。ATXサイズも搭載可能
※ですがグラフィックスカードの長さによっては注意が必要 - 上部には120mmファンが3つ搭載でき、360mmラジエーターも搭載可能。
組み立て見本
今回は、以下のパーツを使用して、本格的ゲーミングマシンとして仕立てます。
CPU | Intel Core i7 12700K |
メモリ | G.SKILL TRIDENT Z5 RGB 6000MHz (CL36) |
グラフィックスカード | Sapphire NITRO+ AMD Radeon™ RX 6900 XT SE |
マザーボード | ASUS ROG STRIX Z690-G GAMING WIFI |
簡易水冷 | CORSAIR iCUE H150i RGB ELITE |
ええと…今回は12900Kはお休みです。
余談ですが…MEMTESTをかけると盛大にエラーを吐くようになってしまって…。最初「おいおいメモリかよ」と思ったのですが、CPUを変えると結果が変わる(=正常になる)のでCPU故障と判断し、代理店さんにて交換中。こんなことあるんですね。
memtest86でエラーだったら普通メモリ疑う…
なお、せっかくの「360mm水冷」を装着できるということで、CorsairのH150i RGB ELITEを投入しています。静音ファンを搭載した新型の簡易水冷です。
最大のポイント 360mm簡易水冷と大型グラフィックカードの両立
このレビュー記事で一番お伝えしたいポイントです。
もうみなさんご存じだと思いますが、小さいケースはいろいろな制約があります。
・特徴Aと特徴Bは両立しない
・特徴Cは超特別な条件を満たす場合のみ適用される
など…自分が思っていたことが実現できないこともしばしばです。
AP201のウリは、「360mm簡易水冷が搭載できる」点と「最長338mmのグラフィックスカードが搭載できる」点なのですが、これが両立するのでしょうか?
カギは、電源にあります。
下記は、AP201のマニュアルの抜粋です。
電源の位置を3か所から選択することができます。
ケース上部にラジエーターを装着するためのおすすめポジションは “A”ですが、
これをそのまま選択するとどうなるか?
SAPPHIRE NITRO+ Radeon RX 6900 XT OC (320mm)がいっぱいいっぱいで、これ以上長いカードだと完全に干渉します。
さすがに長いグラフィックカード(338mm)と360mm簡易水冷は両立しないか…。
マニュアル通りのことをやっていたら、
320mm程度のグラボ+簡易水冷の選択肢しかなくなってしまう。これはまずい。
(いやそんなにまずくない笑
ということで、…
長いグラボと簡易水冷を両立する方法
ポイントは以下3点です。
- 電源ポジションをBに変更する
- 極力小さい電源を使う(SFXも視野に)
- 360mm簡易水冷ラジエーターのホース出口をケース後ろ側にする
これでこのような感じになります。この写真では Fractal Design の Ion Gold 850Wという電源を使っていますが、SFX電源に変更した場合は下方向への出っ張りがなくなるので、ケーブルのクリアランスも含めて「ギリ」、長めのグラボも積めるはずです。
ポジションBは、上部に関してはラジエーターとの隙間がぎりぎり。
このため、ホースは後ろ側とせざるを得ません。
ポジションCだと、ラジエーター+ファンの厚みのせいで不可。
MSI SUPRIM系などをご検討の方はこの方法をとってください。
SFX電源としてはこういうものがあります。
組み立て
というわけで、組み立てていきます。
ケースを見てうすうす気づくかもしれませんが、
- 裏配線はかなり厳しい(背面とパネルの隙間がほぼない)
- ケーブルタイがついている部分で無理やりまとめるしかなさそう。
もしくは電源下部のスペースをうまく使うとよいでしょう。
ちょうど白い目隠し版がついています。
ということで…こんな感じで完成です。
33Lという容積のため、内部に熱がこもることはなさそうです。
グラフィックカードの下に吸気としてファンをつけると、下から上へのエアフローが改善されるのでお勧めです。
また、メッシュ穴が比較的大きめのため、結構中が透けて見えます。
ケース組み込み時の温度
12700Kに、360mm簡易水冷を搭載したゲーミングPC。さぞかし冷え冷えでしょう。
まずは、CineBench R23 (Multi) を回した状態。
※水冷ポンプは最速、ファンは iCUEの「安定」設定
この簡易水冷のファンは結構静かで、個人的にはNoctuaに変更しないでもいいかなと思えるレベル。それでMAX80℃程度におさえられれているのでかなり優秀かと思います。
次は、CPUをオーバークロックした状態+RX6900XTで「レイジ」モードにて
FF14ベンチマークを回した結果。
ケース下部のファンのおかげで、CPU温度は60℃未満、GPU温度も65℃未満に抑えられています。
6900XTがレイジモードで65℃未満ってすごくない??
以前、Lian Li A4 H2Oのレビューを行いましたが、10℃弱の差がありますね。
(参考)Lian Li A4-H2Oにおける240mm 簡易水冷使用時の温度
(12700K + 6900XT 同条件)
※本ケースで240mm簡易水冷の利用を想定した場合、
ケース容量の違い(エアフローの違い)から下記数値よりは下がると思います。
かなり「冷やせる」ケースだと思います。
ということで、ASUS M-ATXケース AP201のレビューでした。
まとめ
よいところ
- M-ATXのマザーボードが利用できる
- 容積33Lを生かした「360mm簡易水冷」と「大型グラフィックカード搭載」が両立できる
- ATX電源が利用できる
- 熱がこもらず冷やしやすい
あとすこし
- 裏配線がしにくい
- 360mm簡易水冷と大型グラフィックカードを使う場合には工夫が必要
ということで、お値段10000円台前半としてはなかなか良いケースでは?と思います。
(おわり)
パーツリスト
Intel Core i7 12700K
最安値・在庫チェック ツクモ ark-pc ソフマップ パソコン工房 PC4U NTT-X
G.SKILL TRIDENT Z5 RGB 6000MHz (CL36)
最安値・在庫チェック ツクモ ark-pc ソフマップ パソコン工房 PC4U
ROG STRIX Z690-G GAMING WIFI
最安値・在庫チェック ツクモ ark-pc ソフマップ パソコン工房 PC4U NTT-X
CORSAIR iCUE H150i RGB ELITE
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Sapphire NITRO+ AMD Radeon™ RX 6900 XT SE
最安値・在庫チェック ツクモ ark-pc ソフマップ パソコン工房 PC4U NTT-X
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コメント一覧 (2件)
こちらのケースで330mm程度のグラボと360mmの簡易水冷を両立させたいと思っています。
150mmのATX電源では無理とのことですが、140mmだとどうでしょうか。
写真を見る感じでは1cm引っ込めばいけそうだと感じたのですが。
検討している電源はMSIのA850GLです。
既に現物が手許にないので何とも言えないのですが…
写真でグラボの補助電源(8ピン)の高さ(約1cm)と比較すると、ION 850Wの出っ張っている部分は1cm~3cm程度に見えます。
おそらくですが140mmであれば…いけそうな気がします。
※あくまで写真から判断する限りですが…