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Lian Li A4-H2O レビュー・水冷で12700Kを冷やす

目次

はじめに

LIAN LI社とDAN Cases社とのコラボレーション製品である 「A4-H2O」をレビューします。

家が狭いからか、小さいものが好きだからか、天邪鬼だからか。理由はどうであれMini-ITXのケースが大好きです。あのケースに夢がいっぱい詰まっている、「どんなスペックにしようか」「そんなに強くしちゃ熱やばいだろ」と自問自答しながら、にやにやしながら考えるわけです。

制約の中で、最大限のアウトプットを出す。あぁかっこいい。

というわけで、Lian Li の A4-H2Oを買いました。
ちなみにまだ組み立てていないケースが3個あります。

外観

こんな感じの箱でやってくる。いたって普通の段ボール。しかしi7 12700Kの箱と比べると、中に入っているケースの小ささが伝わってくる。あぁ興奮しますね。

LIAN LI A4-H2Oの外箱

日本代理店のDIRACさんのページはこちら → https://www.dirac.co.jp/a4h2o/

ちなみに2022年4月現在かなりの品薄らしい。そりゃそうだよね、みんな気になりますよねこのケース。以下のサイトでもチェック。

あけるとこんな感じのブツが入っている。ネジ類はケースの中に入っているけれども撮影するのを忘れてしまった。ちなみに購入したのは「PCIe 4.0」のバージョン、違いがわかる男ではないけれども「3.0と4.0がありますけど?」といわれるとやはり「4.0のほうだろ」となるだろう。

しつこくi7のパッケージと比較しているけど、まあまあ小さいですね。

前面の入出力端子部分、そしてマザボへつなぐコネクタ部分はこんな感じ。ちなみに昔はAUDIO端子まで律儀に接続してましたが、いつの間にか接続しなくなりました。「いつかはヘッドフォンつなぐかもしれない」と思って、結局背面のオーディオ出力を使うか、オーディオインターフェースをつなぐかどちらかです。あ、最近はBluetoothヘッドフォンですね。

このケースの特徴としては(以下、DIRACさんサイトから引用)

  • DAN Cases社とのコラボレーション
  • 容量わずか11リットルのコンパクトサイズMini-ITX
  • サンドイッチレイアウト
  • トリプルスロットGPU240mm水冷AIOのサポートなどハードウェア互換性の向上

ということで、高級ケースメーカーの考案した製品が、量産効果による「適度な品質」と「比較的お安く」手に入る点が最大の魅力だと思うわけです。

別の機会にレビューできればと思いますが、愛用している Loque の GHOST S1などは、工作精度は高いわシンプルというかミニマルスタイルでかっこいいわで、その代償に涙が出るほど高いわという存在もあるけれども、そこまで高額でなく比較的バランスの良いところを狙った製品だと思います。ちなみに私が気に入ったポイントの一つはこれ。

大きなゴム足 どうやってもとれることはないだろう

移動している際に「ポロっと」ゴム足がとれちゃうなんて心配のいらない大きさ。

組み立て

今回は以下のパーツ・スペックで組み立てを執り行います、皆様よろしくお願いします。よせばいいのにK付のCPUですよ。

Intel Core i7 12700K

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ASUS ROG STRIX Z690-I GAMING WIFI

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G.SKILL TRIDENT Z5 RGB 6000MHz (CL36)

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Corsair iCUE H100i RGB PRO XT

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Corsair SF750

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いい大人なんで、12900Kにしようなんて微塵も思いませんでした。

まあ真の「いい大人」「分別のある大人」なら、いくら簡易水冷とはいえ12700Kでさえも選択しないでしょう。MINI-itxですからね。12700とか12400とかでいいんじゃない?と。なのにKつきを選んでしまう、そのあたりがまだ子供。少しは無茶したい。

というわけで、組み立てます。

Corsair の LGA1700仕様を初めて使いましたが、ドスパラさんの店頭で「LGA1700対応のアクセサリはこれです」と言ってもらったのがスタンドオフのピンだけ。「え、これだけですか」と驚きました。NZXTは、バックプレートとピンとヘッドのアダプタがセットでした。メーカーによってだいぶ設計が違うんですね。

ROG + 12700K + G.SKILL TRIDENT

次はラジエーターにファンを取り付けます。AIO水冷キットに付属しているファンを信用していないというよりは、Noctuaを盲信しているので最初から例の色のファンを取り付けます。デフォルトのファンをつけても、禁断症状が出てどうせ最後にはこれをつけることになる。

corsair + noctua のコラボレーション


ケーブリング地獄

ケーブルの取り回しは、かなり難しい。はっきり言って難ありです(簡易水冷の場合)。電源の場所・向きを考えると「これしかないけどなんかやだな」という感じ。11リットルで簡易水冷。そもそもスペースはあまりないので、水冷は「ヘッドが小さいもの」を選ぶのと「コネクタがあまりいらないもの」が吉かと。H100iは USB2.0 + SATAタイプの電源接続が必要なのでちょっと辛い…けどなんとかいけました。

下から見た感じ。PSUの配線は下向き。PSU直下のスペースはありますがケーブルを束ねるとそれで埋まってしまう。
無理でしょ



…ということで、これしかできなかった…のギブアップ最終系がこれ。

  • 電源は下向きにコネクタが生えるのでマザーボードからのケーブルは下側に持っていくしかないのですが、どう考えてもマザーボードの右隣の隙間を使うしかない(しかも電源ケーブルの下にはご存じの通り、USB3.0コネクタとかあるんですよ。それなのに上から押し込めないといけない)
  • 水冷のホースは電源の上の隙間を通すしかないが、ホースの「余り・たるみ」を調整するスペースがあまりないため、ヘッドの向きで調整する必要がある(だからCorsairロゴが逆になってしまった)
  • 水冷のUSB、電源はカッコ悪いが…M.2 SSDの上を経由して電源へ
最終系(これがまあさんには限界)

電源の位置が悪いのか…正直 Ghost S1のほうが楽だった、あっちのほうが小さいのに。あ、でもGhostは空冷だからそもそも楽か。。

GPUスペースはすごい…けど逆さに入れる

グラボをさかさまに差すんですよ、このケース!逆さま!上下逆!エアフロー大丈夫か。いやむしろラジエーターがGPUの熱風を吸わないようにケアしてこれか?それとも電源のコネクタの向き的に上下逆さまにするしかないか?

GPUは逆さまになる。

上下逆さまは置いておくと…、売り文句どおり結構大きなグラボもつけられそう。

よいしょ、よいしょと小刻みに上下左右にずらしながらケースに無理やり押し込んでいた苦い経験ともサヨナラ、なぜならケース前面のパネルを外せば、ちょうどいい位置に穴が開いていて横からインストール可能。これは考えられているポイント。素晴らしい!

今までどれだけ苦労してきたのだろうか、どれだけグラボを傷つけてきただろうか、ケースを無理やり分解してきただろうか。

で、手持ちのEVGA RTX 3090 (FTW3じゃなくてXC3という薄いモデル)を入れてみましたが、余裕しゃくしゃく。3090いれるのもまた大人げないですが。

逆サイド(マザーボード側)のぎゅうぎゅう具合とバランスが取れてない。

余談ですが、この3090は2.2スロットでdual BIOSもついてないモデルで3090の中でも多分非力な方。ベンチマークでも「ほかの3090よりちょっと弱いかな」という感じになってしまう。そこで今回はより高性能(?)かつこのケースの小ささというか懐の広さを最大限活用してやろうじゃないの、という気持ちに素直に従った結果、以下となりました。

正直すごい。これが入るか!

RADEON RX 6900 XT (NITRO+ AMD Radeon™ RX 6900 XT SE)
ギリギリだけどちゃんと前面のパネルは取り付け可能。

Sapphireの NITRO+ AMD Radeon™ RX 6900 XT SE。緑から赤に変わりましたが(笑)、静かだし熱処理上手だしなにより速いしということで、今回はこれで!

前面のパネルはきっちり装着できます、つまりはみ出してない。

完成

というわけで、完成系。
メッシュの穴は結構大きめなので、ある程度は中身が透けて見える。基本的には光らせる系のケースでないと思うが、ほんのり漏れてくる分にはいい感じ。

グラボ側にいくと急にごつくなる感じがする

ちなみに、ghost S1 mk3と並べてみますか。見たいですよね。

(2022.05.03記述変更)ちなみに各社のitxケースと比べるとサイズ感は以下の通り

ケース奥行き(mm)幅(mm)高さ(mm)GPUスロット容積
LIAN-Li & DAN CASE A4 H2O3261402443スロット11L
DAN CASE A4-SFX V4.13171122002スロット7.2L
Louqe GHOST S1 MK33221401882スロット8.5L
GHOST S1 MK3 w/ Large HAT3221402452スロット11L
FromD T1 V1.13301332163スロット9.5L

おそらくですが、A4-H2Oを作るときに 高級極小ケース ghost S1もベンチマークの1つとして意識したのかな?という気がします。なぜなら、幅も奥行きもほぼ同じ。違うのは高さだけですが ghost S1にハット(別売・高さを増やしAIOをつけられるようにした部品)をつければ同じ感じになるのです。しかし!搭載可能GPUは、GHOST S1:2スロット、A4-H2:3スロット。気にする人は大きな差かもしれません。

ベンチマーク

最後にベンチマークの結果を載せておきます。

まずは条件から。

  • intel core i7 12700K
  • DDR5 6000MHz 32GB (16*2)
  • ASUS ROG STRIX Z690-I GAMING WIFI
  • Sapphire RADEON RX 6900 XT Nitro+ Special Edition (レイジモード)

Cinebench R23 もちろん完走。CPUパッケージ最高90℃、スコア(マルチ)22,579。電力制限したらもっとワット当たりのパフォーマンスが向上しますね(K付プロセッサなのに制限するワタシ)。

FF14ベンチ FHD 最高品質 30,484


FF14ベンチマーク中の温度変化(室温25℃)
CPU最高 69℃程度、GPU最高72℃程度 熱に関しては余裕。


3D Mark Time Spyの結果

RX 6900 XT 20412
ちなみに、3090=19145、3070=14171


まとめ

最高のMini-ITXマシンが出来上がりました。
12世代のIntelは優秀ですし、K付であろうとなかろうと電力制限をすれば、それほど熱くもなく運用できます。12900Kを240mmで運用するのはアレですが(できないことはないだろうけど)、12700Kくらいだったら余裕。しかも大きなグラボも入る。作ってて楽しかったです。

ということで、まとめ。

よいところ!

  • 12700Kのような高発熱CPU を 240mm AIO簡易水冷で確実に冷却できるスペック
  • 「比較的」お求めやすい価格 (20,000円ちょいオーバーくらい)
    ※高級ITXケースと比較した場合です。
  • 大型GPUが搭載できる

もう少し!

  • ケーブルの取り回しがかなり難しい(特にMB電源)
  • かなり入手性が悪い(2022.04初現在ほぼすべての店舗、通販で品切れ)
  • 多少ペラペラ感がある(コストの問題か?もう少し厚みがあると剛性がよりアップ)

ということで、個人的にはかなり気に入りました。(了)


パーツリスト

Intel Core i7 12700K

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ASUS ROG STRIX Z690-I GAMING WIFI

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G.SKILL TRIDENT Z5 RGB 6000MHz (CL36)

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