Lenovo Yoga Slim 750i Carbon 13ITL5(製品番号:82EV003EJP)のレビュー記事です。
Lenovo Yoga Slim 750i Carbon の特徴
Yoga Slim 750i Carbon (13ITL5) の特徴
- わずか1kg以下のモバイルノートパソコンで、持ち運び楽々。
- 液晶は180°開くため、対面での画面共有が容易
- メモリの増設はできないため、ある程度割り切って使用する前提のマシンです。
- 動画鑑賞や業務仕様・レポート作成などは余裕でこなします。
どなたにでも使いやすいモデルだけど、
薄さ・軽さ・オシャレな感じが 新入学の大学生にピッタリ!
現在は、下記の後継機種(770i)が格安で販売されているわ!
スペック
プロセッサ | 11th Generation Intel® Core™ i5-1135G7 |
物理メモリ | 8GB (DDR4) |
ストレージ | 512GB ※検証機は SAMSUNG MZVLB512HBJQ-000L2 |
液晶 | 13.3インチ IPS液晶 2.5K 2560 × 1600 |
OS | Windows 10 Home 21H2 |
サイズ | – 幅: 295.88 mm (11.65 インチ) – 奥行き: 208.85 mm (8.22 インチ) – 最も薄い場所: 14.25 mm (0.56 インチ) – 最も厚い場所: 15.0 mm (0.59 インチ) |
端子 | – コンボ・オーディオ・ジャック – USB-C コネクター (Always-on) – Thunderbolt 4 コネクター × 2 |
幅は30cm弱、奥行きは約20cmの13.3インチノートパソコンです。
液晶は2560 x 1600 の2.5K解像度となっており、一般的なQHD(2560 x 1440)と比較して 160ピクセルほど高さがあるため、エクセルなどを操作する際には閲覧性が高く非常に使いやすい液晶です。
外観
真っ白な筐体は清潔感があり、軽さも相まって持ち出すのが楽しくなります。
重さ
周辺機器を含めた重さ
ノートパソコンでよく持ち運ぶであろう姿を
シミュレーションしてみました。
- Yoga Slim 750i Carbon 本体
- 電源アダプタ
- Logicool M650マウス
- Lenovo ThinkPad 13インチ スリーブケース
基本性能
intel 11世代 Core i5
プロセッサは、11世代の Core i5 1135G7 を搭載しています。
10nmの最新プロセスで作成されており、4コア8スレッドで動作します。2023年現在ではさらに新しい世代のプロセッサ搭載のモデルも発売されていますが、よほどの高負荷作業を行わない限りは使用感はほぼ変わらないと思われます。
hwinfoで情報を読む
先述したとおり、検証機は Intel Core i5 1135G7プロセッサ搭載、メモリ8GB、内蔵GPU(Intel Iris Xe Graphics)となっています。SSDはSAMSUNGの512GBのものが搭載されています。
メモリが8GBなのが惜しいです。
プロセッサの性能
Core i5 の性能を図るために、CineBench R23を使用しベンチマークを実施しました。
Cinebench R23 (マルチコア)にて、第8世代の intel プロセッサと比較した結果が下記です。
第8世代は i7プロセッサではありますが、 本機に搭載されている第11世代プロセッサは i5にもかかわらず、1.2倍の性能となっています。
ただ、薄いノートPCにありがちでなポイントがありますが、冷却が追い付いていません。
開始直後はCPU温度が上がり、100℃に近づくあたりでサーマルスロットリングが発生します。
サーマルスロットリング
CPU/GPU等が規定以上の温度になった場合に、安全動作のために性能を意図的に落とす(落ちる)事象です。
ただし、このベンチマークで実施するような状況、つまり「長時間CPUの全コアが100%で動く」状態は、通常の動画再生や事務作業では発生しませんので、さほど気にする必要はなく「重い作業を連続でさせるときつくなるな」という程度に考えていただければよいです。
事務用途
PC Mark10を用いてベンチマークテストを実施しました。
PC Mark10は、事務用途(Word, Excel, PowerPoint, Web閲覧, オンライン会議)を想定したテストです。
第8世代のi7 8565Uよりやはり、1.2倍高性能という結果が出ました。
ここでは2点指摘しておきます。
インテリジェントクーリングモードは、「冷却性能と性能」のバランスをとった、Lenvoノートパソコンの推奨モードですが、こちらの方が高得点でした。
Cinebench R23の項で「サーマルスロットリング」に触れましたが、パフォーマンスモードは性能を求める=冷却が追い付かないケースがあるのではと想像します。
Yoga Slim 750i Carbonは特に薄い筐体なので、冷却に苦労するのは当然でそれを考えると
インテリジェントクーリングモードで使用するのが結局パフォーマンスが出やすい
のでは?という感触です。
想像していた点数よりかなり高かったので、デスクトップ版のCPUと比較してみました。
結果ですが、
12世代 Core i3 12100(内蔵GPU使用)と比較しても、94%の性能(差は6%程度しかない)
ということで、実際は一般的なデスクトップコンピュータとほぼ同じ性能では?と感じました。
想定用途
ということで、Lenovo Yoga Slim 750i Carbon の「向き・不向き」を用途別にまとめると以下のようになります。
向いている | 不向き |
---|---|
事務作業(Word, Excel, PowerPoint) チャット、オンライン会議 動画鑑賞 軽い画像編集・動画編集(FHD数本程度) 軽いゲーム | 動画編集(FHD多数、レイヤー多数等) 各種演算作業(動画エンコード、算術計算等) | 重いゲーム(専用GPUが必要)
専用GPU(グラフィック機能)を搭載していない
薄型ノートPCであり、冷却が得意ではない=長時間の高負荷作業が苦手
という点を考慮すると、不向きな作業があるのは仕方がないかと思います。
ディスプレイ・スピーカー
なお、Lenovo Yoga Slim 750i Carbon のディスプレイ・スピーカーは、個人的にかなり気に入りました。
という点がポイントです。
スピーカーに関しては、各社力を入れているので飛びぬけて良いというわけでもないのですが、音量も十分に大きく音割れもない自然な再生がされていました。
色再現性が高いディスプレイ
下記は、x-rite i1 Displayにてiccプロファイルを作成し、Color ACにて “sRGB”と比較したものです。
黒い実線が Lenovo Yoga Slim 750i Carbon で実測して作成したカラープロファイル(形がきれい!)。
藤色の実線が sRGBです。
ピンク色で囲まれた黄色の部分が、いわゆる「sRGBカバー率」になるかと思うのですが、この値は99.4%でした。
いわゆる「sRGB 100%のディスプレイ」といっていい品質です。
さらに、LenovoのノートPCの良いところは
「ディスプレイが180°開く」
点です(機種にもよりますが)。
大学生が「ねぇねぇレポートのこの部分」と向い合せに座っている友達と確認するのにはうってつけです。
※別に大学生に限らず…商談でもよいのですが…。
ゲームはできないの?
素晴らしいディスプレイ、音、となると…やはりゲームをやってみたくなりますよね。
結論としては、「軽いゲームならできる」です。
FF14 ベンチマーク
FF14 ベンチマーク
「標準品質(ノートPC)」 1280 x 720 で スコア 8605 「快適」判定でした。
3D Mark Night Raid
参考値ですが、比較的グラフィックに強いRyzen グラフィック統合型チップと比較すると下記の通りとなります。
Ryzen 5 4650G等の Ryzen G系プロセッサは、グラフィック性能が高いAPUとして有名です。
CPUスコアこそ大幅に負けてはいますが、それ以外の数値はいい勝負ですので、
Iris Xe Graphicsが弱いとは言えない
ですし、よってもってそれなりにゲームもできてしまうのではないでしょうか。
(ただしタイトルによってはメモリ搭載量がネックになってくるかもしれません)
キーボード、トラックパッド
ThinkPad X1シリーズと比較するとさすがに差はありますが、打鍵感のある打ちやすいキーボードです。キーピッチは縦横ともに約20mmで打ち間違いやすいということはありませんでした。
当然バックライトもついており、暗いところでも確実にタイピングできます。
ただ、小さいノートPC特有の事象ですが…Enterキー周りがちょっと詰まっている感じがあります。ミスタッチするほどではないですが、気になる人は気になるかもしれません。
なお、トラックパッドはさらさらした感触で引っ掛かりなく、スムーズに動作します。
3本指、4本指ジェスチャなどにも対応しており、Windowsを主通りに操作することができるのはポイントが高いです。
周辺機器との接続
Lenovo Yoga Slim 750i Carbon の向かって左側の端子は Thunderbolt対応のUSB-C端子となっており、例えば Caldigit TB3のような、「Thunderboltドック」を利用することも可能。
実際に、接続して確かめてみました。
今回は、CalDigit社のThunderbolt 3ドックである TS3 Plusを使用しています。
これを利用すると、Thunderboltケーブル1本で「外部ディスプレイ出力 4k60Hz + USBたくさん + Ethernet」が拡張できる夢の(笑)製品です。ほんと私大好きです、こういう合体メカみたいな製品。
特に何の問題もなく、認識しました。
なお、内蔵ディスプレイ含め、外部2枚のディスプレイが出力できるので「トリプルディスプレイ」も可能です。
実際に、外部ディスプレイ(4K/60Hz)にて接続し、4K/60PのYoutube動画を再生してみました。
たとえ4Kであっても動画再生程度であれば全く問題はなく、CPU負荷もご覧の程度です。
ただ、若干熱は持っていたのでPC側のディスプレイは閉じない方が熱が逃げやすいのではと感じました。
まとめ
よいところ | もう少し |
---|---|
・軽く・薄い筐体で、白くオシャレ ・液晶の品質が良く発色が豊か ・CPU・グラフィック性能がそれなりに高い ・通常の作業であればこれ1台で十分 ・Thunderboltドックを使えば、 デスクトップの代わりにもなる | ・高負荷時には冷却ファンが回り多少うるさい ・薄い筐体を実現するためには仕方がないが、USBがすべてタイプC | ・メモリ搭載量が少ない
ということで、個人的には「もう一台ゲーム用/動画編集用のPCを用意するのであれば」その他の用途はこれ一台でも事足りるのではないかなと思いました。
メモリが少ないのは残念ですが、日常の使い方でそれほど大量にメモリを消費するような作業もないのであれば、たいていの作業はこれで間に合いますし、それこそ「仕事でそこそこ使う、プライベートでは動画やブラウジング」というよくあるスタイルにはかなりマッチするPCだと感じました。
LenovoのノートPCはコストパフォーマンスに優れる製品が多いですが、本製品もそれにたがわず良い製品です。
最後までお読みいただきましてありがとうございました!
(了)
※本記事は、株式会社クロスワーク様より検証機をお借りして執筆しています。
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