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Lenovo ThinkPad X1 Nano (gen. 1)レビュー

Lenovo ThinkPad X1 Nano Gen. 1(製品番号:20UN-CTO1WW)のレビュー記事です。

目次

Lenovo ThinkPad X1 Nano Gen. 1 の特徴

Lenovo ThinkPad X1 Nano Gen. 1 の特徴

  • わずか900gで持ち運び楽々。
  • 液晶サイズは13インチ、小さすぎず快適。
  • 液晶は180°開くため、対面での画面共有が容易
  • ノートパソコンの中では最高レベルのキータッチ。

ThinkPad モバイル系シリーズの中でも最高峰のX1モデル。

X1シリーズの中で最小最軽量。なんと900g程度!

それでいて、キータッチ最高!

スペック

プロセッサ11th Generation Intel® Core™ i7-1160G7
物理メモリ16GB (DDR4)
ストレージ512GB
液晶13.0インチ 2K IPS液晶(2160 x 1350)
OSWindows 10 Home
サイズ約292.8×207.7×13.9mm
端子USB 4 (Thunderbolt4 対応) x 2


マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック

幅は30cm弱、奥行きは約21cmの13インチノートパソコンです。

液晶は16:10の画面比率となっており、表示領域が縦に広く1度に見える情報量が多くなり、Webサイトの閲覧などにも便利です。

外観

マットブラックの本体は高級感満載で、所有感が満たされます。
表面はマット加工で滑りにくく手になじむ感じがします。手から滑り落とす…なんてことはなさそうです。

重さ

重さは、本体のみで実測914gと軽量です。

ACアダプタ込みだと 1,161g

少しでも軽くしたい場合は、Ankerなどの充電器を使用すると、70g程度稼ぐことができます。

掲載した充電器は、私が重宝している充電器でUSB-C PD経由で65Wが供給できますので、本体付属のアダプタと同等のスペックとなりますが、重さ大きさ共にかなり小さいので、是非検討してみてください。

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基本性能

intel 11世代 Core i7

プロセッサは、11世代の Core i7 1160G7 を搭載しています。

10nmの最新プロセスで作成されており、4コア8スレッドで動作します。2023年現在ではさらに新しい世代のプロセッサ搭載のモデルも発売されていますが、よほどの高負荷作業を行わない限りは使用感はほぼ変わらないと思われます。

hwinfoで情報を読む

先述のとおり、検証機は Intel Core i7 1160G7プロセッサ搭載、メモリ16GB、内蔵GPU(Intel Iris Xe Graphics)となっています。メモリの増設はできません。

プロセッサの性能

Core i7 の性能を図るために、CineBench R23を使用しベンチマークを実施しました。

Cinebench R23 (マルチコア)にて、ThinkPad X1 Carbon (Gen 9)、第8世代の intel プロセッサ、および第11世代のi5と比較した結果が下記です。

さすがに最新世代のi7だけあって、同世代のi5よりも高い性能を示しています。

X1 Carbon (Gen 9)と比較して差はわずかです。
通常使用においては体感できる性能差はわずかでしょう。

ところで、ノートPCは冷却性能に限界があるため、「サーマルスロットリング」という現象が発生します。

サーマルスロットリング
CPU/GPU等が規定以上の温度になった場合に、安全動作のために性能を意図的に落とす(落ちる)事象です。

下記の図は、i7プロセッサにて、Cinebench R23実行中のCPU温度と、サーマルスロットリングの発生状況を時系列的に表したものです。

開始直後から、CPU温度は上がりサーマルスロットリングが発生しています。

ただ、X1 Carbonの結果と比べると、以下のような所感を持ちました。

Nano (ハイパフォーマンス)
nano はファンが1つ
Carbon (バランス)
carbonはファンが2つ

・X1 Nano はハイパフォーマンスモードでも、サーマルスロットリングの発生する時間が短い
・おそらく、X1 Carbonより冷却機構が貧弱であることを前提に、パフォーマンスをある程度絞っているのでは?

上記画像の通り、nanoはファンが1つ、carbonはファンが2つです。

X1 Carbonと比較すると、筐体のサイズが小さいこともあり、冷却機構は劣っているものと思われます。

それを考慮したうえで、性能と冷却のバランスを設計したのではないかと思われます。
※強力なi7を完全に冷却するのはなかなか難しく、i7の力を完全に発揮できるノートパソコンは滅多にないでしょう。

ただしサーマルスロットリングが発生するといっても、このベンチマークで実施するような状況、つまり「長時間CPUの全コアが100%で動く」状態は、通常の動画再生や事務作業では発生しませんので、さほど気にする必要はなく「重い作業を連続でさせるときつくなるな」という程度に考えていただければよいです。

事務用途

PC Mark10を用いてベンチマークテストを実施しました。
PC Mark10は、事務用途(Word, Excel, PowerPoint, Web閲覧, オンライン会議)を想定したテストです。

電源「バランス」モードがお勧め

Cinebench R23の項で「サーマルスロットリング」に触れましたが、パフォーマンスモードは確かに性能はあがりますが、冷却ファンも盛大に回り静音性が失われます。性能を求める=冷却が追い付かないケースがあるのではと想像します。

通常使用であれば、やはり「バランス」モードがお勧めです。

デスクトップ版のプロセッサ(i3 12100)とほぼ性能は同じ

正直驚きましたが

12世代 Core i3 12100(内蔵GPU使用)と比較し、ほぼ同じ性能

ということで、実際は一般的なデスクトップコンピュータと同等です。恐るべし。

想定用途

ということで、Lenovo ThinkPad X1 Nano Gen. 1 の「向き・不向き」を用途別にまとめると以下のようになります。

向いている不向き
事務作業(Word, Excel, PowerPoint)
チャット、オンライン会議
動画鑑賞
軽い画像編集・動画編集(FHD数本程度)
軽いゲーム
とても重いゲーム(専用GPUが必要)
動画編集(4K、レイヤー多数等)
各種演算作業(動画エンコード、算術計算等)

専用GPU(グラフィック機能)を搭載していない
薄型ノートPCであり、冷却が得意ではない=長時間の高負荷作業が苦手

という点を考慮すると、不向きな作業があるのは仕方がないかと思います。

ディスプレイ・スピーカー

なお、Lenovo ThinkPad X1 Nano Gen. 1 のディスプレイ・スピーカーは、個人的にかなり気に入りました。

縦のピクセルがQHDよりさらに多いため、表計算などでの可読性が上がる
発色豊かで見やすい
サイズから想像する音量を超える音で特に低音がよく、動画鑑賞でテンションが上がる

という点がポイントです。

スピーカーに関しては、各社力を入れているので飛びぬけて良いというわけでもないのですが、音量も十分に大きく音割れもない自然な再生がされていました。

色再現性が高いディスプレイ

下記は、x-rite i1 Displayにてiccプロファイルを作成し、Color ACにて “sRGB”と比較したものです。

青実線: Lenovo ThinkPad X1 Nano Gen 1 で実測して作成したカラープロファイル
黒点線:sRGB基準
赤  :sRGBカバー率

sRGBカバー率:104.3%ですので、色再現性の高い高品質の液晶です。

さらに、LenovoのノートPCの良いところは

「ディスプレイが180°開く」

点です(機種にもよりますが)。

大学生が「ねぇねぇレポートのこの部分」と向い合せに座っている友達と確認するのにはうってつけです。

※別に大学生に限らず…商談でもよいのですが…。

ゲームはできないの?

素晴らしいディスプレイ、音、となると…やはりゲームをやってみたくなりますよね。

結論としては、「結構ゲームできる!」です。

3D Mark Night Raid

参考値ですが、
・ThinkPad X1 Carbon
・比較的グラフィックに強いRyzen グラフィック統合型チップ
・Lenovo Yoga Slim 750
と比較すると下記の通りとなります。

Ryzen 5 4650G等の Ryzen G系プロセッサは、グラフィック性能が高いAPUとして有名ですが

TOTALスコアは Ryzen デスクトップ統合型APUを若干下回る
Yoga Slim 750と同程度

それなりにゲームもできてしまうのではと思います。

キーボード、トラックパッド、内蔵カメラ

ThinkPad X1シリーズの真骨頂ともいえるのが、キーボードの打ちやすさです。

打鍵感のある打ちやすいキーボードで、文書作成/コーディングをしていると、スムーズに作業ができます。キーの取りこぼしや入力漏れを感じたことは私自身も使っていてありません。

このためにThinkPad X1を使い続けているという方も多いと思います。

またトラックパッドは比較的広めにとられており、ジェスチャにも対応。トラックポイントも健在です。

レビュー機に搭載されていたカメラは、Windows Hello対応のカメラで、
ログイン時に顔認証が利用できるため大変便利です。

周辺機器との接続

Lenovo ThinkPad X1 Nano Gen. 1 の向かって

・左側:Thunderbolt対応のUSB-C端子が2つ、オーディオコンボジャックが1つ
・右側:電源ボタンのみ

となっており、例えば Caldigit TB3のような、「Thunderboltドック」を利用することも可能です。

USB-AやHDMIを使おうと思うと、ドングルが必要なのが痛い

です。

Thunderboltに関しては実際に、接続して確かめてみました。

今回は、CalDigit社のThunderbolt 3ドックである TS3 Plusを使用しています。

これを利用すると、Thunderboltケーブル1本で「外部ディスプレイ出力 4k60Hz + USBたくさん + Ethernet」が拡張できる夢の(笑)製品です。ほんと私大好きです、こういう合体メカみたいな製品。

特に何の問題もなく、認識しました。

なお、内蔵ディスプレイ含め、外部2枚のディスプレイが出力できるので「トリプルディスプレイ」も可能です。

まとめ

よいところもう少し
・軽く、剛性感のある筐体で、プロ仕様
・キーボードの品質が最高クラス
・液晶の品質が良く発色が豊か
・CPU、グラフィック性能が高い
・通常の作業であればこれ1台で十分
・Thunderboltドックを使えば、
 デスクトップの代わりにもなる
・高負荷時には冷却ファンが回り多少うるさい

・i7の性能を使い切る冷却性能が欲しい…が、
 携帯性とのトレードオフと思われるため、
 このバランスでもよい。

ということで、個人的には「4K動画編集をバリバリやる」「4Kゲームをバリバリやる」方以外は

これ1台あればいいじゃない!

と思います。

LenovoのノートPCはコストパフォーマンスに優れる製品が多いですが、本製品もそれにたがわず良い製品です。

最後までお読みいただきましてありがとうございました!

(了)

※本記事は、株式会社クロスワーク様より検証機をお借りして執筆しています。

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